2011年2月20日、移転して来ました。
リンク切れ多数あり。修正は一生終わらないかも・・・
花と流れ星 (道尾秀介) [ マ行 (書籍)]
流れ星のつくり方、モルグ街の奇術、オディ&デコ、箱の中の隼、花と氷、以上五編収録。
霊現象探求所の所長・真備庄介(まきび・しょうすけ)。その助手で義妹の北見凜。真備の友人でホラー作家の道尾。
彼らが優しく静かに活躍する、おどろおどろしくないホラー推理物。
友達の両親が殺されたと言う少年。悲しい嘘。
右手を消してしまった奇術師。
可愛い子ネコを拾った小学四年生の莉子と真子。
真備を装って宗教施設を見学する羽目になった道尾。
孫娘を悲しい事故で失った老人が、同じ年くらいの小学生を家に招く。
モルグ街の奇術は、想像しちゃってえぐかった。
花と氷は、予想付いた。
胸の中の氷片は誰もが抱えている。それは溶けて花を育てる。辛さや哀しさを知る人は、他人のそれを思いやれる。
彼らが主役の長篇があるのかもしれない。探してみよう。
夜のくもざる (村上春樹) [ マ行 (書籍)]
文・村上春樹/絵・安西水丸
超短編集。だいたい一篇が四頁しか無い上に、一頁に多くて八行、一行の文字数は37文字しか無い。
読み易くてあっと言う間に読み終わる。
内容は不思議で奇妙で、稲垣足穂さんの「一千一秒物語」を思い出す。あれほどのファンタジーでは無いが。
あとがきによると、これは雑誌のシリーズ広告として連載された物らしい。パート1が洋服で、パート2はパーカー万年筆用。でも内容は特に広告していない。
絵がセットになっているが、よく判らない(苦笑)。話を途切れさす物では無いのがありがたい。
好きなのは、と言うか気になるのは「アンチテーゼ」。アンチテーゼが何か判らなくなる。例えば福岡をたくさん書きすぎて、福の字は口にタンボで良かったか?と悩むような感じの・・・
渡辺昇さんも良いね。彼に会えて羨ましい。
地下街の雨 (宮部みゆき) [ マ行 (書籍)]
短編集。七編収録。
「地下街の雨」
麻子は、深紅の椿のネクタイとあの女に再会する。
不気味だったのに、爽やかに終わった。
「決して見えない」
三宅悦郎は、雨の夜、じっとタクシーを待っていた。
運命の赤い糸と別の話。星新一さんのような短編。実は、よく判らなかった。
「不文律」
埠頭から死のダイビング、一家四人。
色々な人から語られる一家の肖像。息子アキラの存在ははっきりしないが重要なポジション。
「混線」
いたずら電話の罪と罰。
ホラー風味のSFかな。あっけない印象。
「勝ち逃げ」
勝子伯母が亡くなった。佐山浩美や家族は葬式の準備を始める。
順次みたいな叔父さんは、一族で締め上げるべき。それかさっさと縁切れ。
北野三郎さんは良い人だ。
「ムクロバラ」
デカ長は今日もまた橋場秀男の訪問を受けていた。またムクロバラの連続殺人事件が起きたらしい。
不気味な話だ。何かの呪いなのだろうか。可哀相な橋場さん。
「さよなら、キリハラさん」
宇宙人「音波Gメン」キリハラさんが現れた我が家では、時々音が聞こえなくなった。
切ない良い話。でもこの後どうなるんだろう。非人道的だよね。
うずまき猫のみつけかた (村上春樹) [ マ行 (書籍)]
:新潮文庫:平成11年3月1日発行:(¥667)
94年春~95年秋に、雑誌「SINRA」に掲載されたエッセイ。
その頃、作者はマサチューセッツ州ケンブリッジに住み、隣町メドフォードのタフツ大学に所属していた。
心に残ってるのは、作者は走るのが好きなんだなーと言う事。あと猫への愛情。
それからベジタリアン。
淡々として読み易くて良かった。
< タイトルリスト >
不健全な魂のためのスポーツとしてのフル・マラソン
テキサス州オースティンに行く。アルマジロとニクソンの死
人喰いクーガーとヘンタイ映画と作家トム・ジョーンズ
この夏は中国・モンゴル旅行と、千倉旅行をしました
ダイエット、避暑地の猫
スカムバッグ、オルガン・ジャズの楽しみ
小説を書いていること、スカッシュを始めたこと、またヴァーモントに行ったこと
通信販売いろいろ、楽しい猫の「食う寝る遊ぶ」時計
わざわざこんな忙しい年末に、車を盗まなくっていいだろうに
なにしろ雪のボストンからジャマイカに行かなくては
ジャック・ライアンの買い物、レタスの値段、猫喜びビデオ
どうしようもないタニヤ、猫の調教チーム、発見された詩人
コウタローの行方、子猫サーシャの数奇な運命、またまたボストン・マラソン
理不尽に襲われたアヒル、懐かしい匂い、ランゴリアは怖いぞ
生きていたコウタロー、アルバトロスのリスキーな運命、タコの死にゆく道
猫のピーターのこと、地震のこと、時は休みなく流れる
あとがき
特別付録 村上朝日堂ジャーナル月報 安西水丸と語る寿司屋の話
ドリームバスター (宮部みゆき) [ マ行 (書籍)]
この地球とは別の世界。そこから地球人の夢に逃げ込んで来た犯罪者を追う、ドリームバスター達。その中の、マエストロと少年の物語。
「プロローグ JACK IN」では、主婦と娘が登場。
主婦・道子の夢に幼い頃に見た火事と、踊る不気味な影が現れた。幼い娘・真由も同じ夢を見たようだ。
そして再び同じ夢を見た時、マエストロと呼ばれる男と、少年が彼女の夢に降り立つ。
「First Contact」では、本村伸吾の夢に彼ら、D・B(ドリームバスター)が登場。
本村伸吾は、母の旅行中に倒れた父に付き添い、出生の秘密を知ってしまう。
マエストロと少年シェンに助けられ、彼は自分の気持ちに気付く。
「D.Bたちの”穴”」は、シェンの世界が舞台。
殺人が起き、疑われそうな女性を助ける為に奔走する。
面白かった!読み易いSF。
某SNSで知り合った、宮部みゆきさんファンの方に勧められて読んだのだが、読んで良かった。続きがあるそうなので楽しみが続く。早く借りたい。
シェンは母親を捕まえられるのだろうか。
村上ラヂオ (村上春樹) [ マ行 (書籍)]
村上春樹さんのエッセイ集。大橋歩さん画。
読み易く面白かった。
おしゃれだし。
ランニングがお好きなんだな。
電子レンジに夢中 (村上祥子・文/中山庸子・絵) [ マ行 (書籍)]
電子レンジに夢中―カンタン、早い、おいしい!! (講談社SOPHIA BOOKS)
- 作者: 村上 祥子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/02
- メディア: 単行本
:1999年2月15日第1刷発行:2000年1月20日第4刷発行:(¥1400)
ちょっとレンジ料理を勉強しようと借りた。
思ったのは、通勤時間に読むものでは無いなと(苦笑)。
メモ取ったりしたい、出来たら作りたい物をノートにまとめたい。
レンジの基本的な事から解り易く描いてあるのが良い。
ロシア正教のイコン (オルガ・メドヴェドコヴァ) [ マ行 (書籍)]
:「知の再発見」双書:創元社:2011年10月20日第1版第1刷発行:(¥1600)
タイトルの通り、ロシア正教のイコンを、たくさんの図版を用いて歴史的見地から詳しく紹介してある。イコノクラシスとかイコノスタシスと言う言葉まであるのだな。
読み易く面白かった。資料篇は、専門家向けな気がして読んでない。
エレウサ型とかホデゲトリア型とかの説明が無いのが残念。
あと根本的にイコンが、謎。
読む前から謎だったので、読んだら判るかなと思ったんだけど、やっぱり謎だ。
イコンって絵じゃないの?
平成お徒歩日記 (宮部みゆき) [ マ行 (書籍)]
歴史的な場所を徒歩で廻るエッセイ。
四十七士が歩いた道だったり、市中引き廻しのルートだったり、江戸城の周りを回ったりする。その間の豆知識がすごく面白い。
四十七士はものすごい健脚だったようだ、とか市中引き廻しになる罪は、厳密に決まっていたとか。引き廻しされる罪人は、大抵の願いが聞き入れられたなんて優しいね(迷惑被った人もいるのが可笑しい)。
一緒に旅したみたいで、とても楽しかった。特に引き廻しの回が好き。
<タイトルリスト>
前口上
其之壱 真夏の忠臣蔵
其之弐 罪人は季節を選べぬ引き廻し
其之参 関所破りで七曲がり
其之四 桜田門は遠かった
其之五 流人暮らしでアロハオエ
其之六 七不思議で七転八倒
其之七 神仏混淆で大団円
剣客商売「浮沈」の深川を歩く
いかがわしくも愛しい町、深川
世界のホテル&インテリア (森拓之) [ マ行 (書籍)]
世界中の色々な国のホテルの室内やロビー、景観などを多数の写真で紹介している、見て楽しいガイドブックのような本。
もちろん室料や電話番号、アクセス等も書いてある。
紹介されているホテルの数は以下の通り。
アジア:インドネシア五軒、ベトナム三軒、タイ三軒
ハワイ七軒
ヨーロッパ:ドイツ三軒、オランダ二軒、スペイン一軒、ベルギー四軒
それと、途中に二編(各二頁)のエッセイがある。作者は村瀬千文とおっしゃる方で著者とは違う人なので書いておく。
アジアのホテルはエキゾチックだけれど木が多くて、どこかほっとする感じ。
ヨーロッパのホテルはスタイリッシュな上に歴史を感じる趣ある所だ。
ハワイのホテルはどれもリゾート!である。
どの地域のホテルも一度泊まってみたいな~。
とりあえず、どのベッドにも寝てみたい(笑)。
バリ島のホテル、アマンダリのバスタブは屋外にあって、あまり実用的ではないが、露天風呂感覚で自然を堪能できると言う所が面白い。それしか無いんだね。
今日も夫婦やってます (南Q太) [ マ行 (書籍)]
R.P.G. (宮部みゆき) [ マ行 (書籍)]
淋しい狩人 (宮部みゆき) [ マ行 (書籍)]
おばあちゃんが、ぼけた。 (村瀬孝生) [ マ行 (書籍)]
特別養護老人ホームで何年も働いた後、第2宅老所よりあいと言うところで働き出した作者(奥付のところには、第2宅老所よりあいの所長と書いてある)が、ぼけたお年寄り達から教えられた事をまとめた本。
出来事を四コマ漫画にしたものも多数収録。
どのお年寄りもとても愛しい。地元・九州弁なのがまた嬉しい。
死について考えない事にしているが、こういう死なら良いと思った。
解説代わりか、巻末に谷川俊太郎さんの一文もあり。
おばあちゃんが、ぼけた。 (よりみちパン!セ 25) (よりみちパン!セ 25)
- 作者: 村瀬 孝生
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2007/02/25
- メディア: 単行本
うまうまノート (室井滋) [ マ行 (書籍)]
女優・室井滋さんがVOCEに連載した食べ物に関するエッセイをまとめたもの。
一度、ぱらぱらと見た時に、博多に逃亡して来た所が気になって、借りてみた。面白かった。
博多一泊旅行で、あちこち食べ歩いたり、馬肉のお店でどんな美味しい物が食べられるか紹介したり、御友人と博物館に行って、レストランで食べた美味しい物の話だったり、バラエティに富んでいる。
そして、室井さんは、どれも美味しそうに食べるし、美味しいって言うし、とっても明るいのだ。
だから読んでいてとても楽しくなる。作者の元気を分けて貰った気になる本だ。
しかしずっと「ムロイ・シゲ」さんだと思ってた・・シゲルさんでしたのね(汗)、ごめんなさーい!
宮部みゆきの江戸レシピ (宮部みゆき) [ マ行 (書籍)]
ふたり歩きの設計図 (槇村さとる) [ マ行 (書籍)]
漫画家・槇村さとるさんが、自分の結婚生活や恋愛観を主張するエッセイ本。
夫との出会いから、どうやって二人のズレを修正しているかまで、タメになったりふーんと思ったりする。
とにかく話し合って、違いを埋めていく方法がステキ。
文庫もあるんだね。
CLAMPもこなのオキモノキモノ [ マ行 (書籍)]
イケナイ宝箱―ようこそ鬱の世界へ (素樹文生) [ マ行 (書籍)]
お楽しみはこれもなのじゃ (みなもと太郎) [ マ行 (書籍)]
角川書店:平成16年11月1日初版発行:¥1800
その昔、月刊誌マンガ少年で連載されていた漫画についてのイラストエッセイ。それが一冊の本になっていた・・と言うのを、先日本屋に行って初めて知った。
(巻末によると、今までに、別の出版社から単行本や文庫で出た事があるらしい。全然知らなかった!)
懐かしく、またぜひもう一度読みたいと思っていたのでいそいそと購入。そう、マンガ少年は愛読誌だったからねぇ。
そして、実は何かのパロディ的タイトルだとは覚えていたのだが、和田誠さんの「お楽しみはこれからだ」を構成からなんからまねしたものだとは、さっぱり記憶に無かった。「お楽しみはこれからだ」も、確かずっと前(勿論、「お楽しみはこれもなのじゃ」より、ずっと後)に一度読んだ事ある筈なんだけど。
映画には殆ど馴染みが無く、漫画には非常に興味があったからだろうと思う。
内容は、今読んでもとても面白かった。昔、これを読んでから、矢代まさ子さんのようこシリーズが読みたくて捜してみた事も思い出す。わしの周囲で手に入るモノでは無かった為、今でも読みたいと思っている事も。
1976~1979年の連載である為に、もう全然作品を見かけない方や亡くなられた方の作品もあったりして、懐かしかった。
初期の漫画も色々取り上げてあって、横田順彌さんのSF古典物のように面白かった。
作者には是非、この続編を、平成版「お楽しみはこれもなのじゃ」を連載して欲しいものだ。どんな漫画が取り上げられるだろう。
農家の嫁の事件簿 こちら北国、山の中 (三上亜希子) [ マ行 (書籍)]
ゆるゆる日記 (素樹文生) [ マ行 (書籍)]
愛はめんどくさい (まついなつき) [ マ行 (書籍)]
幻冬舎文庫:平成17年2月10日初版発行:¥457
「「女の結婚」という永遠のテーマに迫る一冊!!」、裏表紙より。
「笑う出産」を出た頃に読んで、絵はどうしても受け入れられなかったが、内容は大変面白かったので、絵の無い(笑)これを読みたくなった。
ああいう「愛の無い結婚」をして、どういう生活をしているのだろうと、興味津々だったのだ。
そして知った事は、深く考える人だったのだな、この作者さんは。
短時間で結婚・出産したので、あまり考えない人かと思っていた。何もかも丁寧に考え、しっかりと生活している人だった。
これから、どういう「家庭」になっていくんだろう。漫画・・まだ描いていらっしゃるのかな?
今日は、風邪で欠勤し、近くの医院に受診。その間に読んだ(読み終わったのは帰宅してからだけど)。
返事はいらない (宮部みゆき) [ マ行 (書籍)]
あやし (宮部みゆき) [ マ行 (書籍)]
天より授かりしもの (アン・マキャフリー作 赤尾秀子訳) [ マ行 (書籍)]
いつ買ったか定かでないが・・昨日今日の昼休み、合わせて一時間で読み終わった。
「だれも猫には気づかない」と同様、さらっと読めるロマンチックファンタジーである。
主人公は、宮廷暮らしに耐えかね、出奔した王女ミーアン。策を弄し、小さい頃に訪ねた事のある森の炭焼き職人の小屋が、廃屋になっているのに住み着く。
しかし、深窓育ちには火をおこす事さえままならぬ所へ、少年ウィスプが現れ、二人は助け合って暮らすようになる。
ウィスプは背中に痛ましい鞭痕があり、家事を王女に教え、森で収穫した物を市で売って来て、生活に必要な物を手に入れてくれた。
何も出来ないと思われたミーアンだが、彼女には天賦「みどりの指」があった。草木を育む事である。
ここら辺のくだりは、何だか「家なき少女」の森の暮らしのようで楽しい。
想像がつく最後だったが、ほんわか楽しかった。