修道院の第二の殺人 （アランナ・ナイト）

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修道院の第二の殺人 (創元推理文庫)

• 作者: アランナ・ナイト
• 出版社/メーカー: 東京創元社
• 発売日: 2012/03/10
• メディア: 文庫

創元推理文庫：平成2012年3月16日：初版：（￥900）

舞台はヴィクトリア朝のエジンバラ。
40歳手前の主人公ジェレミー・ファロは、エジンバラ市警察警部補で、新米医師で21歳の息子ヴィンセント（通称ヴィンス）と二人暮らし。妻リジーが亡くなってから、まだ幼い娘達、八歳のローズと六歳のエミリーは、ファロの故郷カークウォールで、ファロの母と暮らしている。もちろん、ヴィンスは実の息子では無い。彼は妻リジーの連れ子で、出会った時は九歳だった。
しかしヴィンスは継父とその仕事を尊敬して、ファロの手助けをしてくれる。
彼が足を突っ込んだのは、妻を殺した男パトリック・ハイムズが犯したとされる第二の殺人の疑いを晴らす事。
パトリックは二つの殺人で絞首刑となった。
でも彼は死ぬ直前でも、第二の殺人を否認していた。
事件の捜査の中で、ファロは一目で恋に堕ちてしまいそうな美しい女優アリソン・エアドと親しくなる。
恋が絡む甘ったるい推理物なのかとちょっと見くびってしまったが、それは全く私の間違いだった。
こんな大きな息子が居るのに、イケメンでいけすかない部下マクイーンには年寄り扱いされてるのに、ファロはやる事も考えも若々しくて可愛いとさえ思えてしまう。
面白かった。
これは例の読書の女神の本で紹介されていたので借りてみたが、良かった。続編も読みたい。

＜　ネタバレあり登場人物メモ　＞
ジェレミー・ファロ　主人公。スコットランド女王メアリを敬愛する。
ヴィンセント・ボーマーチャー・ローリー　新米医師。後半で22歳の誕生日を迎える。ファロの亡妻リジーの連れ子。

リジー・ファロ　ファロの亡妻。15歳の時、働いていた領主館で客に犯され、ヴィンスを産んだ。ヴィンスを弟と偽って育てていたが、ファロに求婚された時泣きながら告白。ファロに受け入れて貰い結婚した。ファロとの間に娘を二人もうけ、息子を産んだ直後に、息子と一緒に死去したらしい。産褥熱か何かか？
ミセス・ブルック　ファロ家の家政婦。
ローズ　八歳。ファロ夫妻の長女。
エミリー　六歳。ファロ夫妻の次女。
ファロの母　オークニー諸島のカークウォール在住。リジーが亡くなってから、ローズとエミリーを育てている。
アイサ　ファロの伯母。長年乳母として働き、その後バルモラル城の庭師と結婚。未亡人となってからクラシーの広い領地に建つコテージに住まう。

マッキントッシュ　エジンバラ市警察警視。
ダニー・マクイーン　エジンバラ市警察巡査。イケメンで調子の良い男。みんなに好かれているっぽいが、ファロは彼が気にくわない。

パトリック・ハイムズ　妻を殺した男。処刑前日にファロとの面談を希望。妻を殺した事は認めるが、リリーと言う女は殺してないと言いきった。アイルランド人。1870年5月11日死亡。
サラ・ハイムズ　パトリックの妻。夫と二人の子供を捨て、聖アンソニー女子修道院で下働きを始めた女。子供達の為に探しに来た夫パトリックを嘲笑し、怒った夫に首を絞められ、あまつさえそこが崖の上で、転落死去。死因は絞殺なのか転落による物なのかはっきりしない。
モーリーン・ハイムズ　パトリックの双子の妹。

リリー・ゴールディ　聖アンソニー女子修道院学校の教師。サラが殺された二日後に、同じ崖の麓で殺されていた。
ティモシー・フェリス　ヴィンスの医学校の同期生。金持ちを装ってリリーの気を惹いていたが、金が無くなり振られて電車に飛び込み自殺した。

クララ・バーンリー　リリーの元同僚。

サー・ヘドリー・マーシュ　狂った準男爵（マッド・バート）と呼ばれる老人。猫いっぱい。

アリソン・エアド　トレローニー劇団の女優。美人。実はティモシー・フェリスの母。17歳で結婚した相手ジュリアンは美しい顔をした口のうまいろくでなしで、実は三人の子持ちの既婚者だった。彼は牢に入り、彼女は息子の為に年配の紳士の愛人になった。老紳士が死んで遺産を貰ったが、ティモシーは真実を告げられるとアリソンを拒絶。息子が寄宿学校に入ると、アリソンは女優に復帰した。

ブラック・タム　街のごろつき。

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