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2011年2月20日、移転して来ました。
リンク切れ多数あり。修正は一生終わらないかも・・・

動く指 (アガサ・クリスティー/高橋豊訳) [ カ行 (書籍)]

The Moving Finger:クリスティー文庫:早川書房:
2004年4月10日印刷・2004年4月15日発行:(¥720)

語り手はジェリー・バートン。牧師館の殺人と同じ彼の一人称視点で書かれている。
我らがミス・マープルは、この本の四分の三が終わろうかと言うくらいの289頁に、ようやく登場する。推理は最後に披露するのみ。「火曜クラブ」なみと言えば言えるかも。
これが本当の安楽椅子探偵かもしれないが、彼女のファンとしてはちょっと寂しい。
と言うか、シリーズ後半の(ロンドンに出掛けたりとか)動き回るミス・マープルを先に読んでしまったからか。
 ドラマで見ていた「手紙の宛名を書き換えて」云々と言うシーン、やっと意味が判った。
家主はMiss Barton、借りた方はMiss Burtonだったのだ。
本の最初の方でも、バートン同士なんて、フィクションなんだから替えれば良いのにと思ってしまった。日本語では両方バートンとしか書けないけど、違う名前だったのね~。
 遺言もちょっと不思議だったけど、英文を書いてあったので納得した。

 解説が久美沙織さん。テンション高いなー(笑)。トリビアが面白かった。

<個人的なメモ>
リア王の娘は、ゴネリル、リーガン、コーディリア。
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動く指 (クリスティー文庫)

  • 作者: アガサ・クリスティー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2004/04/16
  • メディア: 文庫
<ネタバレ登場人物メモ>
 ジェリー・バートン:語り手。傷痍軍人。軍の飛行機事故で五ヶ月寝たきりになり、その後療養目的で、田舎町リムストックに家を借りる。黒髪。背が高い。骨董や古い家具が好き。小さい頃は田舎の大きな白いみすぼらしい家で暮らしていた。七歳の時(妹ジョアナ二歳)、ロンドンで叔母と住む事になった、と言う事はその時両親が亡くなったのかな?
 ジョアナ・バートン:五歳下の妹。美しく陽気な性格で、ダンスやカクテル・パーティ、異性との交際、馬力の強い車で飛び回る事が好き。金髪で青い瞳、小柄。兄の療養に付き添い、リムストックに住む。兄と同じく骨董や古い家具が好き。

 ミーガン・ハンター:シミントン夫人と前夫の娘で、シミントン氏の義娘。20歳。16歳そこそこに見える。背が高く不器用。もじゃもじゃの褐色の髪、茶色を帯びた緑青の瞳、痩せてほねばった顔。およそ美人とは縁の無い容貌をしているが、時々顔のどっち側かに思いがけなく愛らしい片えくぼが浮かぶ。着ている服はやぼったくて、木綿の靴下にはいつも穴が開いていた。お小遣いは年に40ポンドで、靴下もろくに買えないらしい。
一年前学校を卒業したが、授業はたいがい退屈だった。数学だけは天国のようで大好き。少女団に入れとうるさく言ってくるエメ・グリフィスが嫌い。また母親に好かれていないと判っていて、家があまり好きそうでは無い。

 モナ・シミントン:シミントン夫人。ミーガン、ブライアン、コリンの母。前夫ハンターにDVを受け、一、二年で離婚。ミーガンを連れリムストックへ引っ越して来て、現夫リチャードと知り合い再婚した。
小柄で、貧血症的で、容色の衰えが目立ち、お手伝いに対する不満や自分の健康が勝れない事を、弱々しい陰気な声で喋る女性。
事務所が土曜半ドンなので、シミントン家では土曜の午後にブリッジ・パーティをする習わしになっている。ブリッジが飯より好きで非常に上手い。知性的でない女性が往々そうであるように、すばしこく、生まれつきの鋭い勘を持っていた中傷の手紙に精神的ダメージを受け、自殺したと思われていたが本当は殺された。
 リチャード(ディック)・シミントン:ガルブレイス・アンド・シミントン法律事務所の弁護士。冷静な紳士の典型。首が長く喉仏が際だって高く、顔色はやや青白く、鼻が細く長い。
ブリッジの腕前は堅実で、多少慎重すぎるきらいもある。
 ブライアン、コリン:シミントン家の長男と次男。ミーガンの異父弟。
 エルシー・ホーランド:ブライアンとコリンの家庭教師。ジェリーは初めて会った時、うるわしい顔立ち、あやしく波立つ金色の髪、長身の優美な体つきで、ふんわりと空を泳ぐように歩くさまはさながら女神のようと形容した。しかしすぐその後で声を聞いた途端、幻想が冷めた。かなりおしゃべり。青い目。親切で才能もあり、いざと言う時機敏に動ける女性。
 アグネス・ウォデル:シミントン家のお手伝い。16歳の時、孤児院(聖クロタイルド・ホーム)を出てエミリー・バートンのリトル・ファーズ邸で働き始めた。身寄りが無く、シミントン家に移ってからもパトリッジがずっと相談相手だった。
二人目の被害者。後頭部に一撃くらい卒倒した後、台所で使う焼き串を頭蓋骨の下部に突き刺され即死。
 ローズ:シミントン家のコック。ぶくぶく肥った40がらみの女性。ニーザー・ミックフォードが実家。
 ミス・ギンチ:ガルブレイス・アンド・シミントン法律事務所の事務員。40歳。鼻眼鏡をかけ兎のような歯をしている。縮れ毛。シミントン夫人が殺された後、不動産屋に転職した。

 オーエン・グリフィス:医者で、週に一度ジェリーを往診してくれる。色黒で風采が上がらず、身振りもぎこちないが、手は綺麗で器用。訥弁で内気な性格らしい。大通りでジョアナを見ると、反対側に避けていた。数年前、病院を買って越して来た。
 エメ・グリフィス:オーエンの妹。エメは「愛されている」と言う意味。兄と反対のあくの強い女性。声は野太くばかでかく、健康的に日焼けしている。若い頃、医者になりたかったが、両親が学費を出してくれず断念した。引っ越して来る前から、リチャード・シミントンと兄共々知り合いで、実は彼が好きだった。

 エミリー・バートン:ミス。バートン兄妹が借りたリトル・ファーズ邸のオーナー。97歳まで生きた母親や、四人の姉達(みんな独身)を看取って、今は一人暮らし。戦後、収入が無く、仕方無く屋敷を貸す事にした。貸している間は、元小間使いフロレンスの家にやっかいになっている。
 フロレンス:リトル・ファーズ邸で15年間小間使いをしていた女性。大工と結婚退職し、大通りに綺麗な家を構えている。二階の空き部屋をエミリー・バートンに貸してくれた。背が高く骨ばっていて、気性の強そうな顔立ちをしている。今でもエミリー・バートンに忠実で、バートンさまと呼ぶ。
 パトリッジ:リトル・ファーズ邸のお手伝い。バートン兄妹が借りている間も、勤め続ける。頭は鈍そうだが親切。痩せた口の重い中年女性。料理上手。
 ベアトリス:通いのお手伝い。中傷の手紙を受け取った為、辞めた。
 ベーカー夫人:ベアトリスの母。日焼けした顔、頑丈そうな大柄な女。舌が回る。

 パイ氏:女のようにぶくぶく肥った小柄な男。プチポワン・チェアやドレスデン焼きの羊飼いの胸像や骨董品の愛好家。修道院だった廃墟の敷地にある修道院長の公舎に住んでいる。こまめな性格で、家具は全て綺麗に磨かれ、ふさわしい位置にあり、カーテンやクッションの色合いも見事な上、すべて高価な絹織物だった。彼の楽しみは、様々な人をこの家に呼ぶ事。
シミントン家のブリッジ・パーティに呼ばれた一人。ブリッジの腕前は、見事の一語に尽きる。心理作戦に書けては不気味な才の持ち主。
 プレスコット:パイ氏の家のコック。妻はお手伝い。

 ケイレブ・ディン・カルスロップ:司祭。初期の教会史とに関する研究と本と知識の中で生きている。やたらとラテン語を引用する癖がある。
 モード・ディン・カルスロップ:司祭の妻。極めて現実的。物事を見抜く不可解な洞察力を持っていて、村中の人々に少なからず恐れられている。身の回りについて無頓着。
ベロパスのファローウェイと言う名門の出。

 アプリ-トン大佐:七マイルほど離れたコンビークルと言う村に在住。典型的肥満型。60歳前後。シミントン家のブリッジ・パーティで、バートン兄妹と会う。ブリッジは大きく張る流儀。
 クリート夫人:年寄り。植木屋の妻。水車場へ行く道路際の家に住む。この地方で「魔法使い」と言われている女性。
 マーカス・ケント:ロンドンの医者。ジェリーの主治医で、彼に転地療養を勧めた。
 マリー・グレイ:45、6歳。ジョアナ行きつけのドレスメーカー「ミロチン」のオーナー。淡い青灰色のタイトのイヴニングドレスが好き。がっしりした体格。ユダヤ人。利口で愛想が良い。ジェリーもお気に入りの人。ミーガンを、「マイ・フェア・レディ」にする為、ジェリーに協力した。

 ナッシュ:軍警察の警視。捜査主任。背の高い軍人のような体格、静かな思慮深い目、率直で謙虚な態度。
 グレイヴズ警部:ロンドンから派遣された。匿名の手紙事件の専門家。背が高く顔が長い。
 バート・ランドル:交番の巡査。
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