SSブログ
※御注意※
2011年2月20日、移転して来ました。
リンク切れ多数あり。修正は一生終わらないかも・・・

魚舟・獣舟 (上田早夕里) [ ア行 (書籍)]

アマゾンにリンクしています。魚舟・獣舟 (光文社文庫)

魚舟・獣舟 (光文社文庫)

  • 作者: 上田 早夕里
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/01/08
  • メディア: 文庫
光文社文庫:2009年1月20日 初版1刷発行:2009年8月20日 4刷発行:(¥590)

書き下ろし中編と短編五本の作品集。
「魚舟・獣舟」
まず世界観、設定が面白い。海上民、朋という存在、そしてタイトルの魚舟と獣舟。
陸に上がる獣舟とそれを殺す陸の民。
海上民と陸上民は敵対はしていないようだ。主人公と美緒は、それぞれの立場で相反する行動をする必要に迫られるが、主人公はあっさり陸上民になれた。
魚舟に明確な意思は無いのだろうか。
最初に出て来た、語り手の伯母と呼ばれた獣舟は、父の双子だったのだろうか。

「くさびらの道」
オーリ症と言う恐ろしい病気が、日本を飲み込みつつあった。兵庫出身の主人公は、東京の製薬会社で働いていた。オーリ症に罹って死ぬと、幽霊になると言う事が、生きている人々を色々と苛んでいた。
主人公の実家もやがて病に襲われ、妹の彼氏・三村雄司とともに実家へ向かった。
 くさびらとは何なのか。解説にまで読み終わってから検索してと書いてある。調べても、まあそういう事かと思っただけだが。
しかし最後に、妻と子の顔を見た事で、救われた気がした。

「饗応」
貴幸は、出張の際いつも利用しているホテルに行くと、手違いがあったので、別館のグレードアップされた和室に通された。
 人工知性体の出張、ホテルの態度はなぜ?
同じ人工知性体の猫シマとしか暮らせない孤独、寂寥。

「真朱の街」
相良邦雄は、知人の五歳の娘を連れ、妖怪と人間が共に住む真朱街へ逃げてきたが、妖怪・輪の女にその娘・翔子を攫われてしまう。翔子の捜索のために紹介された百目も妖怪だった。
 人殺しだからこの街で生きていくのか。
妖怪の街が彼を受け容れる。

「ブルーグラス」
O県M岬沖の海域が、近々、立入禁止区域に指定されると聞き、伸雄は昔、その海域に沈めたブルーグラスに逢いに行く。
 感傷的。
新しい潜水具が素的だ。こういうのがあれば、誰でも潜りやすくなり、書いてある通り、荒らされてしまうかも。
ドームで囲んでしまうと言うのも良いね。もっとドームの話広げられそう。

「小鳥の墓」
書き下ろし。
地球、火星で女性ばかり大量に殺している男の回想録。彼は、子供の頃、地球の教育実験都市・ダブルE区に住んでいた。飛び級して、中学二年・12歳の時、同学年の勝原に、外へと誘われた。
 退廃的。
恵、由紀代、瑠奈も結局ダブルE区の人間だった?
解説に、作者のデビュー作「火星ダーク・バラード」の前日譚、若しくはスピンオフみたいな感じで書いてあったので、そっちも読んでみたい。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0