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2011年2月20日、移転して来ました。
リンク切れ多数あり。修正は一生終わらないかも・・・

予告殺人 (アガサ・クリスティー/田村隆一訳) [ カ行 (書籍)]

A Murder is Announced:クリスティー文庫:早川書房:
2003年11月10日印刷・2003年11月15日発行:(¥840)

ミス・マープルシリーズ。
舞台はチッピング・クレグホーンと言う村で、住民がみんな読んでいるローカル新聞の広告欄に、殺人予告が載せられたところから始まる。
「殺人お知らせ申しあげます、十月二十九日金曜日、午後六時三十分より、リトル・パドックスにて、お知り合いの方のお越しをお待ちします。右ご通知まで」
そして、特に警戒もしないままその日を迎えた人々は、予告通りの殺人事件に驚く事になる。

 予告された日付が、この文庫の裏表紙には12月29日とあったので、最初は「全然年末の感じがしないなぁ・・・」と不思議だった。そいでちょっと読み直してみると10月だった。
 ミス・マープルは、声色を使ったり結構行動的。いや元々行動力はあるけど、こんな行動力があっては、あんまり「安楽椅子探偵」の感じはしなくなった。
実は、「火曜クラブ」の時だけだったのかも。
 バンチが、夫が語る「アハシュエロスにお祈りした老牧師(老スクリムガー)」の話が大好きと言う、本筋には関係無いエピソードがある。六行くらいの話で、全文載っているみたいだけど、何が面白いかよく判らない。夫も同意見みたいだし(笑)。
 S.235 「フレッチャー巡査部長は、リトル・パドックスに家があった」は可笑しいと思う。それとも実はリトル・パドックスは地名?ブラックロック家の隣人って事?でもそれなら、誰でも家に入れるこの村の習慣を知らない筈無いよね。
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予告殺人 (クリスティー文庫)

  • 作者: アガサ・クリスティー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2003/11/11
  • メディア: 文庫
<ネタバレ登場人物メモ>
 レティシィア・ブラックロック:ミス。60歳ちょっと。愛称はレティー。白髪で灰色の目。取っている新聞は「タイムズ」「デイリー・テレグラフ」「デイリー・メイル」「ギャゼット」。いつも模造真珠のチョーカーやカメオのネックレスをしている。自宅はリトル・パドックスと呼ばれる。
三週間ばかり前、ドラ・バンナーとロイヤル・スパ・ホテルで昼食を摂っている時、被害者ルディー・シャーツに話しかけられた。彼は自分を「モントルーのアルプス・ホテル館主の息子だ」と言ったそう。レティシィアと妹シャーロットは、戦時中一年ほど、そのアルプス・ホテルに滞在した事があるが、ルディー・シャーツの顔は覚えていなかった。
シャーロットは肺結核に罹った為、戦争が始まる直前にスイスのサナトリウムに行った。妹はそこで肺結核で死んだ。レティシィアは、一年前にイギリスに戻り、チッピング・クレグホーンに住み始めた。
彼女は父親が厭で若い頃に家を飛び出し、ロンドンで公認会計士の勉強をした。ランダル・ゲドラーの秘書となって生き生きと働いていたが、父親が死に、病弱な妹の面倒を見る為、職を辞した。
実は、本物のレティシィアは、スイスに居た時、インフルエンザであっさり死んでしまった。ランダル・ゲドラーの遺産を得る為に、妹シャーロットが、姉になりすましているのだ。いつもチョーカーやネックレスをしているのは、首の手術痕を隠す為。
 シャーロット・ブラックロック:レティシィアの妹。愛称ロティー。甲状腺肥大に罹ったが、父親の方針で手術を受けさせて貰えず、投薬のみだった。優しい良い子だったが、甲状腺が大きくなるにつれ、人目を避け、家に引きこもっていった。父の死後、姉の手引きでスイスで手術を受けられた。なんとか手遅れにならずにすんだが、首に手術痕が残った。
 ブラックロック博士:ブラックロック姉妹の父親。田舎の内科医。欲のかたまりで偏狭、家庭では暴君だった。

 ドラ・バンナー:ミス。レティシィアの学友。青い目。学生時代は陽気な性質、勇敢な行動、美しい顔立ちで、頭の足りなさを補ってあまりあった。しかしどんな仕事をやってもうまくいかず、すっかり健康を害した半年前、レティシィアに救いの手を期待する手紙を書き、リトル・パドックスに引き取られた。医者は、ドラの命はそう長くないと、レティシィアに告知済み。愛称はバンニー。
当然、レティシィアがシャーロットだと知っている。秘密を守るが、生来うっかりさんで、時々レティシィアをロティーと呼んでしまうが、本人は気付かない。周りも言い間違えてると思っている。ハラハラしているのはレティシィアだけ。S.36でもいきなりロティーと呼んでた。誕生日パーティの後、寝る前に飲んだアスピリンが実は麻酔性の毒薬で死去。

 パトリック・シモンズ:母がレティシィアのまたいとこ。戦前は海軍勤務。ミルチェスター大学で工学士の資格を取るため、二ヶ月前からリトル・パドックスに、妹と一緒に下宿させて貰っている。レティシィアの事はレティー伯母さんと呼ぶ。ミッチーの特別製ケーキを「甘美なる死(デリシャス・デス)」と名付けたが、ミッチーは嫌がっている。
 ジュリア・シモンズ:パトリックの妹。戦前は官庁勤務。ミルチェスター・ジェネラル病院で薬剤師として実習中。
実は彼女は、エンマ・ジョスリン・スタンフォーディスと言う名で、ソニアの娘、ランダル・ゲドラーの姪。三歳くらいの時、両親が離婚し、父に育てられた。しかし父は修道院に預けっぱなしにしたり、色々辛い目に遭わされた。その後戦争で父とも離ればなれになり、フランスで18ヶ月間レジスタンスに加わった。伯父の財産を調べていく内、レティシィアに辿り着いた。
本物のジュリアは、舞台女優になりたくて、パースに行った。
 エリノア・シモンズ:パトリックとジュリアの母。カンヌ在住。

 フィリッパ・ジョーン・ヘイムズ:リトル・パドックスの下宿人。淡いアッシュ・ブロンドの髪にブルーの瞳。未亡人。息子一人。ルーカス夫人の地所にあるデイヤス・ホールで庭師助手をしている。給料は他の雇い人より安いようだ。
実は、ソニアの娘ピップ。エピローグでエドマンド・スウェッテナムと結婚した。
 ハリー・ヘイムズ:フィリッパの息子。八歳。私立小学校の寮に入っていて、休みにはリトル・パドックスに来る。
 ロナルド・ヘイムズ:フィリッパの夫。イタリア戦線で戦死したとフィリッパは言っていたが、実は脱走した。サウス・ロームシャーズで元大尉だった10月28日に、トラックに轢かれそうになった子供を助けて自分が轢かれ、死去。

 ミッチー:リトル・パドックスの料理人。本名は「なんだかとても発音出来ないほど難しい」とレティシィア談。黒髪の若い女。中部欧州からの避難民で、ナチやボルシェヴィキに殺されると恐れている。迫害され、家族の誰か一人が死んだのは事実。だが今では、話が大きくなっていてたくさんの親族が殺された事になっている模様。みんなの一致する判定は「嘘つき」。
S.43で、堅そうなビーフをグラーシュ料理にすると言っている。ハンガリー起源のシチューらしい。と言う事はハンガリー人?でもその他にもたくさんあるので、どこと決められない。Wikipedia関連項目(グヤーシュになっている)(2008年8月3日16:09最終更新分)。
 ハギンズ夫人:週に五日、朝だけリトル・パドックスの手伝いに来る女性。
 エヴァンズ:事件の日、リトル・パドックスのセントラル・ヒーティングをつけてくれた人。火金に来る日雇いの庭師の事か?

 ランダル・ゲドラー:財界人として有名。億万長者。1937年頃死去。レティシィアは、彼の秘書を二十年務めた。子供は二歳で亡くなっていて、財産はすべて妻に、妻が亡くなったらレティシィアに行くように遺言した。
 ベル・ゲドラー:ゲドラー夫人。ロンドンの上流地区に家があり、ハンプシャーにも土地を持ち、南フランスに別荘まであるが、子供の頃から住んでいたスコットランドの家に住み、50年もの間一歩も外に出られなかった。虚弱体質。レティシィアより7、8歳年上。白髪で淡いブルーの瞳。レティシィアの事をブラッキーと呼ぶ。
 マクレランド:ベルの付き添い看護婦。彼女の話では、ベルはもう数週間とは持たないとの事。
 ソニア:ランダルの妹で、たった一人の血縁。25歳で結婚。ソニアの夫を、ランダルは「詐欺師で人生の敗北者」と呼び、妹と縁を切った。親の遺産があって裕福ではあった。
 ドミトリー・スタンフォーディス:ソニアの夫。
 ピップとエンマ:ソニアの子供。双子。25、6歳くらいになっているのでは無いかと思われる。「ちょうど正午に生まれたので-ピップとエンマと呼ぶつもりだ」と、ソニアは手紙に書いていた。どういう意味だろう。

 スウェッテナム夫人:白髪まじり。取っているのは「タイムズ」「デイリー・ワーカー」「ギャゼット」。
 エドマンド・スウェッテナム:スウェッテナム夫人の息子。本を書いている。ど近眼。フィリッパにプロポーズした。
 フィンチ:スウェッテナム家の家政婦。
 スージー:昔、スウェッテナム家に居た乳母。優しく涙もろかったらしい。

 アーチー・イースターブルック大佐:取っている新聞は「タイムズ」「デイリー・グラフィック」「ギャゼット」。事件の後で、ドイツ兵の記念品のピストルが無くなっているのに気づいた。
 ローラ・イースターブルック:イースターブルック大佐の奥方。30歳以上年下。青い目で髪をブロンドに染めている。
 バット夫人:多分、イースターブルック家の家政婦。無神論者だったが、ハーモン牧師の説教を聞くため、日曜に教会に通うい始めた。

 エミー・マーガトロイド:ミス。家は、三つの田舎家を一軒にぶちぬいたもので、ボウルダーズにある。ヒンチクリフと同居。太っちょで愛想が良い。巻き毛がかった白髪は小鳥の巣のようにもじゃもじゃ。三人目の被害者。
 ミス・ヒンチクリフ:愛称ヒンチ。取っている新聞は「デイリー・テレグラフ」「ニュー・クロニクル」「ギャゼット」。男のようなショートカットの頭で、日焼けしている。

 ジュリアン・ハーモン:牧師。65歳。オックスフォード出。
 ダイアナ・ハーモン:牧師夫人。顔かたちが丸いところから愛称はバンチ(果物の房とか瘤と言う意味らしい)。夫もミス・マープルもそう呼んでいるので、悪くない呼び名なのだろう。ミス・マープルの幼友達の娘。その縁を頼って、ミス・マープルは牧師館に居候し、週に二回の治療(多分リウマチの、かな)にメデナム・ウェルズに通う事になった。
 スーザンとエドワード:ハーモン夫妻の子供。まだ幼い。
 ジミー・サイムズとジョニー・フィンチ:牧師館の下宿人。
 ティグラス・ピレセル:牧師館の猫。アッシリアの王の名前を付けてあるらしい。他にスパニエル種の子犬が居る。

 ルディー・シャーツ:国籍はスイス。三ヶ月ちょっと前から、メデナム・ウェルズのロイヤル・スパ・ホテルの受付係をしていた。予告殺人の被害者。外から押し入り、殺されちゃった。予告殺人の広告は、彼が水曜に依頼した。ベルンのアドルフ・コッホ博士の病院で看護人をしていた事がある。

 ロウランドスン氏:ロイヤル・スパ・ホテルのマネジャー。背が高く血色が良い。
 マーナ・ハリス:グリルのウェイトレス。グリルとは、おそらくロイヤル・スパ・ホテルのレストランだろう。輝くような赤毛。ルディーと親しくつきあっていたが、本人はただの友達と言っている。よく一緒に出掛けたり、花を貰ったりした。

 ジョージ・ライデスデール:ミドルシャーの警察署長。中肉中背。クラドック警部を高く買っている。
 ダーモット・エリック・クラドック:捜査課の警部。故郷はカンバーランド。リヴァプールで別の事件を担当していたが、ライデスデールに呼び戻され、この事件の担当となる。ヘンリー卿が洗礼名を付けてくれた。
 レッグ巡査:最初に事件の訴えを受けた。
 フレッチャー巡査部長:単音節の「サー」に色んな意味を含ませられる男。
 ヘンリー・クリザリング卿:ロンドン警視庁の前警視総監。ミス・マープルの信奉者。
 レイモンド・ウエスト:ミス・マープルの甥。小説家。本が当たって、ミス・マープルがロイヤル・スパ・ホテルに滞在する費用を出してくれた。

 ジョニー・バット:チッピング・クレグホーンの新聞配達。トットマン氏の雇い人。
 トットマン氏:ハイ・ストリートで文房具店と新聞小売店を兼営している。扱う新聞は「タイムズ」「デイリー・グラフィック」「デイリー・ワーカー」「デイリー・テレグラフ」「ニュー・クロニクル」「デイリー・メイル」「ニュー・ステイツマン」「ラジオ・タイムズ」「スペクテーター」「ガーディナーズ・クロニクル」、そして毎週金曜日発行のローカルな「ノース・ベナム・ニューズ・アンド・チッピング・クレグホーン・ギャゼット」略して「ギャゼット」。
 エリオット:ハイ・ストリートに店を持ち、厚ガラス製のドア・ストップをミス・ブラックロックに売った。
 セリーナ・ロレンス:「ギャゼット」に料理人募集の広告を出していた。
 レイン・ノーコット:「デイリー・メイル」に載っている小説の作者。
 スクリムガ-:牧師。アハシュエロスはアルタクセルクセス三世だと日雇い女に説教をした。
 ゴス氏:リトル・ワースデイルの牧師。
 ティムキンズ:リトル・ワースデイルから来て、バット夫人と話した人。
 ネッド・バーカー、トム・ライリー、酒場のマーリーン、フロリー(ベラミーじいさんの娘):デイヤス・ホールの老庭師のうわさ話に出て来た人々。
 ジム・ハギンズ:同上。ハギンズ夫人の夫。
 アッシュじいさん:多分デイヤス・ホールの老庭師の名前。
 ベディングフェルド:ミルチェスターに居る弁護士。
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