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2011年2月20日、移転して来ました。
リンク切れ多数あり。修正は一生終わらないかも・・・
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宮中賢所物語―五十七年間皇居に暮らして (高谷朝子) [ タ行 (書籍)]
タイトル通りなのですが、皇居には、「賢所」と言う場所があり、そこに57年間、内掌典としてお仕えされた方が著された本です。賢所や宮中三殿のこと、内掌典の「お仕事」についてなど、これでしか読む事が出来ない実体験に基づいた物事が多く記されています。
作者の職種である内掌典とは、賢所=皇室で祀られる大神の神殿に使える巫女のようなものと思います。朝、夕、夜と「おつとめ」を欠かさず、清いものと不浄のものを厳密に区別し、神殿に供える物には、着物の袖さえ触れぬように気遣う、厳粛なお仕事です。
平安を思わせるような、着物姿で毎日を過ごす(賢所の傍に、内掌典の侯所と言う寮のような場所があります)、もちろん寝る時も着物です。おつとめの度に着替え、祭礼にも季節に合わせ、決められた物に着替え、現代には、たとえ皇居と言えども、こうした姿で居続けるのは内掌典だけだそうです。
読んでいて、別世界のように思われました。こんな世界が、まだ日本に存在しているのです。もちろん、ずいぶん現代にマッチするようになって来ているそうですし、この作者が退職された後は、若い人が四年交替で仕えるのみとなり、本当の内掌典は作者の代で終わったのではと思います。
それでも、作者はつい最近までこうやってお仕えしていらっしゃったのです。
平安物が好きな私は、大変興味深く、面白く読みました。大切な一冊になりそうです。
2007-05-11 19:04
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