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2011年2月20日、移転して来ました。
リンク切れ多数あり。修正は一生終わらないかも・・・

五人姉妹 (菅浩江) [ サ行 (書籍)]


ハヤカワ文庫JA:2005年2月25日2刷(1月15日発行):¥700




短編集。

フレドリック・ブラウンのような、優しい雰囲気の9編だった。




「五人姉妹」

もうすぐ35歳になる園川葉那子は、父が亡くなって初めて四人の「妹」達に会う。吉田美登里、小坂萌、海保美喜、国木田湖乃実。

:最後のセリフが切ない。




「ホールド・ミー・タイト」

松田向陽美(こよみ)は、四人の部下も居る社会人でもうすぐ30歳。凛と言うハンドルで、ネットを徘徊しても、そこに溺れる年では無かった。苦しい片想いの相手を「抱かれ枕」でイメージしながら、現実にはそれを隠す大人だった。

:いつかは、こういうネット利用もあり得るのだろうかと思った。ロマンティックなお話。




「KAIGOの夜」

ケンは、フリーライターのユウジと一緒に、<中枢>が新開発した介護されるロボット「KAIGOナンバー」の取材の為、ヨシユキ氏を訪ねた。

:未来がこんな世界になっていては、あまりにも可哀想だ。ロボットが。




「お代は見てのお帰り」

バート・カークランドが、10歳の息子アーサーを出張に連れて来たのは、博物館惑星「アフロディーテ」で美術鑑賞をさせようと思ったからだ。しかしアフロディーテでは全土を挙げて、忌まわしき「大道芸」の、大道芸人フェスティバルが開かれていた。

:ジプシー・キングのVamos A Bailarを聴いてしまった(笑)。おモーさまに、漫画花して慾しい哀しい雰囲気溢れる作品。




「夜を駆けるドギー」

死体と言う意味の、コープスと言うハンドルを使う主人公は、同い年で筋金入りのハッカーであるHANZの協力で、マシン・ペットのどきどきドギーのファンサイトを立ち上げた。「愛犬」カズキチを撫でながら、そのサイト<骨つきの肉~meat on bone~>を楽しんでいるコープスだったが、「夜を駆ける雑種のドギー」と言う新しいスレに強く興味を惹かれた。

:2ch用語が一杯出て来て、そこだけ刹那的に思えた。しかし良いお話。




「秋祭り」

透明なドームの中で、完璧に管理されている大規模農業プラント。その後継者募集に応募して来た絵衣子には、探しているモノがあった。一緒に見学をするムサシに、TBだと看破され動揺する彼女。今では普通の存在なのに。

:絵衣子の探しているモノが、見つかると良いのに。




「賤の小田巻」

入江雅史は、大衆芸の一座の座長であった父・燦太郎(あきたろう)が、人格トレース終身保養施設、通称「AIターミナル」に入っている関係で、AIのドキュメントを書くと言う雑誌記者・原の取材を受ける。

一座には彼自身も所属していたのだが、一座の若女形・燐次の助けもあって、全寮制の高校に入るのをきっかけに、出奔していた。

:真の祈り。父が届けたかった、AIが許した永遠とは。




「箱の中の猫」

守村優佳は、400km離れた普久原淳夫と、十日に一度、プライベート通信をする。彼は、100km上空の第5期国際宇宙ステーションに勤務中だった。

:もしこういう立場になったら、どうするだろう。東京大阪間ほどの距離に離されて、逢えなくなった恋人同士。




「子供の領分」

記憶喪失のマサシは、ドレイファス医師に言われる通り、アベマリア療養孤児院で生活する事になる。山奥の孤児院に居るのは、妊娠中のマリ先生、11歳ながら高等教育を履修しているアキヒコ、自分はどこかの王族の落胤だと信じている14歳のカナエ、8歳と思えない体格のコウジロウ、いつもニコニコ笑っている5歳のリィリィの五人だけだった。

:「KAIGOの夜」に近しいモノを感じた。



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五人姉妹

五人姉妹

  • 作者: 菅 浩江
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2005/01
  • メディア: 文庫



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