SSブログ
※御注意※
2011年2月20日、移転して来ました。
リンク切れ多数あり。修正は一生終わらないかも・・・

量子回廊 (大森望・日下三蔵編) [ ヤ~他 (書籍)]

アマゾンにリンクしています。量子回廊 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

量子回廊 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

  • 作者: 田中 哲弥
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/07/27
  • メディア: 文庫
年刊日本SF傑作選 量子回廊 The Quantum Gallery:Best Japanese SF 2009
:創元SF文庫:2010年7月30日 初版:(¥1300)

創元SF文庫版、日本のSF傑作選。第三巻。
巻末の選考経過やら日本SF界の概況やら後記やらも面白い。

「夢見る葦笛」 上田早夕里
光文社のアンソロジー「異形コレクション」に発表されたSFホラー。
突如現れた、人より少し大きいくらいのサイズのイソギンチャク形生物「イソア」。魅惑的な音楽を奏で、人々に受け入れられるが、主人公はその音楽に恐怖する。「この曲は、人間の精神を削り取っている。
 人類滅亡を目論むのか。友情も絡んで悲しい恐ろしいお話。
S29の「介護生店」が気になる。

「ひな菊」 高野史緖
チェロ奏者ニーナはグルジアからはるばるレニングラードへやってきた。「才能ある市民音楽家のためのキャンプ」に参加する為だ。
 作者はファンタジーノベル大賞出身。
ソビエト連邦時代の作曲家ショスターコーヴィチと言う実在の人物が出て来るがニーナはどうなんだろう。
SF・・・恋愛物のような・・・しかし甘酸っぱさは無いな。

「ナルキッソスたち」 森奈津子
井沢知花20歳。自分自身が恋愛対象の自己愛者。自己愛者達のサークルに参加し、ルカとルナと言う双子と知り合う。
 子供まで出来ちゃうのかー。どういう子供が育つのかちょっと興味ある。

「夕陽が沈む」 皆川博子
四肢の端々まで、生き続けようとする世界。指を水槽で飼ったり出来る。
 あっさり。面白い。不思議。

「箱」 小池昌代
文章が入っている箱。の事が書いてある文章が入った箱。の事が書いてある・・・
 入れ子構造。結局箱は何も生み出していない。いったい誰が言い出したやら。

「スパークした」 最果タヒ
パス

「日下兄妹」 市川春子
野球部のピッチャー日下は関節唇を磨り減らし、手術も拒否。古道具の箪笥から取れた金具が段々成長し、日下はヒナと名付ける。
 高野文子さん風の絵柄の漫画。ヒナ可愛い。「ヒナはずっと一緒です」泣ける。ヒナとずっと一緒。

「夜なのに」 田中哲弥
高校時代の同窓会に出席した俊司は懐かしい布施友梨子と再会する。
 年代がころころ入れ替わる。段落も無しに。しかし読み易く面白かった。日下兄妹につられてその絵で想像してしまった。年齢差が難しい。

「はじめての駅で」「観覧車」 北野勇作
はじめての駅の話と妻が大好きな観覧車の話、ショートショート二編。
 こういうの好き。情景が浮かぶ。そのままで良い。でも不思議。著書のことばにある、他の作品読みたい~。

「心の闇」 綾辻行人
深泥丘病院でいつもの定期検診を受けたところ、腹部エコーに思いがけないものが映った。心の闇だ。
 雑誌「幽」掲載の深泥丘奇談シリーズの一編。幽は読んでるけど、この話は初見。なぜ食べたくなったのか不明だがあっさりと面白かった。

「確認済飛行物体」 三崎亜記
UFOは政府に確認され、確認済飛行物体となった。そして主人公と彼女は。
 説明に星新一の流れを汲むとある通り、ホントだ星新一さんだと思った。面白かった。彼女なんだったんだー。

「紙片50」 倉田タカシ
著者がtwitter上で発表した作品をまとめたもの。超短い作品がたくさんである。当然か。
面白かった。お腹空いているのかなと思った。常に。巻末の言葉を読んで読み直さないとと思った。

「ラビアコントロール」 木下古栗
ある朝、純一郎が目覚めると、手足が自らの陰毛によって緊縛されていた。
前読んだ山田風太郎トリビュート漫画思い出す。どういう風に飛んでるか想像出来ない。とても可笑しかった。更に作者の言葉(笑)!

「夢幻登山」 八木ナガハル
今巻二本目の漫画。無限に高い山を登るタカコちゃんとトウコちゃん。
 む、難しい・・・でも漫画だから読めた(苦笑)。雰囲気は好き。

「雨ふりマージ」 新城カズマ
主人公マオの母がリストラされ、路頭に迷わないように、一家揃って架空人になる事にした。マオがAR(拡張現実)で知り合った赤毛の少女マージ。
 イントロは要るのか、その設定。本文は切なくて良かった。マージ、本物なのか創作なのか。日記体裁なのも良かった。

「For a breath I tarry」 瀬名秀明
悠樹と琉美は、友人・望月海の個展を見に出かけ、琉美が消えた。
 これはハッピーエンドなの?
「シュロップシャーの若者」と言う19世紀の詩が出て来る。シュロップシャーと言えばカドフェルだね♪

「バナナ剥きには最適の日々」 円城塔
星間探査球である僕は、各星に旗を置いていくのが仕事です。
 バナナ星人の設定気に入った。涼しい車内で読んでいるととても気持ちよく眠れた。

「星魂転生」 谷甲州
枢軸軍主力艦隊の長射程兵器・質量収束砲によって、また恒星が破壊された。我艦隊は難民を抱え不利な戦闘を強いられてきたが、九千年前に安住の地に到達。難民達を移住させ、我々はこの星系を去ろうと計画は進んでいた。
 うむ、巡礼達の望みは果たされたのだ。

「あがり」 松崎有理
尊敬するジェイ先生が亡くなってから、イカルは何かの実験に没頭していた。幼馴染みで同じ研究室所属のアトリは、彼を心配する。
 第一回創元SF短編賞受賞作。2009年より公募が始まった賞。
やってる事は難しくてよく判らないけれど、結末以外は面白かった。あがり現象を止めるって事?
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0